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副所長 田中一誠が時代を読み解く
副所長の部屋
みなさんこんにちは。桜も咲き,春らしい陽気が続いておりますが,いかがお過ごしでしょうか?今日から新年度ですね。様々な業種で人事異動や新入社員の入社などで人材が刷新される時期ですね。 さて,私は3年前より土曜日を利用していました長崎大学大学院経済学研究科を無事終了しまして,博士(経営学)の学位を取得することができました。この3年間何度もやめようかと思いましたが,日々継続していけばいつかは道が開けると信じて頑張りました。しかし,この3年間いろんな人に支えられてきましたので,運の要素とりわけ人に恵まれる運という側面が大きかったように思います。このご恩をいろんな面で少しずつ返していきたいと思います。 さて,最近のテレビをにぎわせている問題として,大塚家具の「お家騒動」について少し感想を述べたいと思います。それぞれの経営方針の違いやどちらが正しかったのかについては,細かな検証を要することですし,採用された側の結果しか事後的に明らかになりません。今回社長側が多数の支持を集めましたが,たとえ社長の経営方針で良い結果が出なくても,会長側が勝った場合にはたして良い結果になったかどうかはわかりません。そういう意味で二つの結果を同時に見ることはできませんので,どちらの経営方針が優れているかの評価ついてはコメントは控えたいと思います。 今回の騒動の中で私が異様に感じたのは,下の世代に経営権を譲り渡した経営者がいつまでも,会社の意思決定にしがみついているということです。先代経営者がいつまでも経営に参画していては,内部の指揮命令系統も混乱し,対外的にもどちらが代表者なのか混乱をきたすことになります。今回のようにマスコミまで利用し対立が続けば今回のような「お家騒動」になるのは明らかです。 親子といえども人格は異なります。当然,経営に関する考えも違って当然なのです。まして,親子ではあれば情実が重なる分ひとたび対立すれば,対立は根深いものになってしまいます。会長には会長の考えがあるのでしょうが,一旦時計が動き出した以上は,時の流れを安易に元に戻すべきではないと私は思います。今回の結果はそう考える人が多かったからではないかと思います。子供はいつか親を乗り越えなければなりません。したがって,親に対して意見を強く言うのは経営者としての成長の過程ではある程度必要かもしれません(あそこまでするのはどうかなと個人的には思いますが)。しかし,親が子供をマスコミまで使って糾弾し排除しようとする姿は,いささか見苦しいかなと思います。 2015年は団塊と呼ばれる世代が,65歳以上となる年です。今後,事業承継が各会社で進んでいくものと思われます。今回のような不幸な喧嘩は,従業員や取引先など多大な迷惑と不安を巻き起こします。今回の件を頭におきながら,それぞれの会社がスムーズに承継進むことを祈念いたします。
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