あけましておめでとうございます。新年1回目は平成28年に読んだ本で印象に残った本を取り上げます。
○『東京会館とわたし 上・下』辻村深月 著 毎日新聞出販
東京会館は大正11年東京・丸の内に国際的な社交場として誕生しました。
この会館を舞台に訪れる客や、従業員の心温まる10章の連作短編集。
東京会館の長い歴史を10章で表現しているのですが、それぞれの主人公のつな がりも見事です。東京会館を愛する心に溢れた1冊です。
○『真実の10メートル手前』米澤穂信 著 東京創元社
この作品は「太刀洗万智」という記者が関わった事件を集めた6編からなる作 品集。ニュースの記事を題材に見方な物語を展開しています。
○『夜行』森見登美彦 著 小学館
学生時代に英会話サークルの仲間6人で鞍馬の火祭を見物に出かけた夜、1人 が失踪した。10年後、当時のメンバーで集まると、5人全員が旅先で、銅板画 家の連作「夜行」に出会っていた。怪談ともファンタジーとも感じられる作品で す。
○『蜜蜂と遠雷』恩田陸 著 幻冬舎
3年ごとに開催される芳ケ江国際ピアノコンクールを舞台にした青春群像小説 です。数多くの天才が第1次から第3次までの予選と本選を優勝目指し、激しい 競争を繰り広げます。作品全体の圧倒的な音楽描写が読者の臨場感を高めます。
○『壁の男』貫井徳郎 著 文芸春秋
ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙 な絵が話題となる。ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが・・・ 孤独な男の半生と隠された真実が、カードをめくるように明らかにされていく。 ラストに待ち受けるものとは・・・
○『脇坂副署長の長い一日』真保裕一 著 集英社
アイドルが一日署長を務める日を舞台に次から次へと気になる事件が続発します。ファンや地方議員、マスコミが大挙して押し寄せる日に、何故こんな事件が続発するのかと、事態の収拾を任された脇坂副署長は嘆きます。
複雑極まりない事の真相が気になり一気に読んでしまいました。
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