古典に学ぶ
H15.2月更新
人は以て恥ずること無かるべからず
◇ 『孟子』尽心章句上   
人間、を知り、を憎むこころがなければならない。
断じて自分にじるような行いをしてはならない。
「四端のこころ」
惻 隠  ・・・いたわりのこころ
羞 悪  ・・・恥を憎むこころ
辞 譲 = ・・・ひとに譲るこころ
是 非 = ・・・善悪を見わけるこころ
人間の良心をもっとも損なうものは、このを知るこころの欠除をおいて他にない。
羞恥心が薄れると、ルールを勝手に変更したり、破ったりすることに抵抗がなくなる。自分の行いを制御するブレーキが利かなくなるのだ。
「人間は四十を越すと、誰でも自分の顔に責任をもたなければならない」と行ったのはリンカーンだが、この四十路というのがたいへん曲者なのだ。
自分の生き方に自信が出てくる。人を使う手立ても身についてきた、これからが俺の腕の見せ所だ、というように強気なこころが闊歩しはじめる。強気が不遜をよび、不遜が傲慢を呼ぶ。傲慢までくれば羞恥心などくそくらえだ。こうして人格が下降線をたどりだす。
自分の顔に責任をもつとは、こころの鏡に自分の顔を映し、絶えずこころのうちなる良 心良心に尋ねることだろう。
 自分の態度にずるべきことはないか?
 自分の行動に行き過ぎはないか?
 そして、自分の良 心は曇っていないか?
                        と。