16.1月更新 古典に学ぶ | |
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〜 解 説 〜 | |
気持ちが緩慢になってくると、誰でも隣の芝生が気になりだすものだ。どうもあっちの仕事のようが分がよさそうだ、向こうの仕事がおもしろそうだ、と目移りがしてくる。こうしたときこそ注意が必要だ。 自分の仕事が伸び悩んだり、市場の動向が思わしくなくなると、いろいろ方便を探し出す。遠目であっても、実際に目に映るものになびくのは人情にちがいない。 ただ、こうしたときに目に映るのは痘痕(あばた)も笑窪(えくぼ)、内実がどうなっているのか知れたものではないのだ。 「人生における大きな喜びは、君にできないと世間がいうことをやることである」とは、絶頂期英国の知性を代表するひとり、『エコノミスト』誌で論陣を張ったウォルター・バジョットの金言である。 自分の五感をフルに働かせて、信念の赴くところを見つけることだ。意に添わないものは片隅から捨てていく。そして最後に手許に残ったものが、自分にとってかけがえのないものなのだ。人間生きていくうえで、ほんとうに必要なものは、それほど多くないはずだ。 |
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