平成16年度 確定申告留意点


寒さが増すと共に、今年もまた確定申告の季節がやってまいりました。
今回は所得税改正の主な項目についてご説明致します。



■改正事項

(1)住宅ローン控除制度の改正

 適用居住開始年度を平成16年中までの居住から平成20年までの居住へと延長され、平成17年度からは段階的に控除率等の縮小がされます。
住宅ローンの年末残高の限度額及び控除率等は次のとおりとなります。

●平成16年1月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合について適用されます。




(2)土地・建物等の長期及び短期譲渡所得課税の特例の改正
(平成16年1月1日以降より適用)





★長期譲渡所得の課税の特例について、土地建物等を譲渡した場合の税率軽減の特例が廃止され、税率が引き下げられました。
   特別控除後の譲渡益×15%(所得税)

★長期譲渡所得の100万円特別控除が廃止されました。

★短期譲渡所得の課税の特例について、税率が引き下げられました。
   譲渡益の30%(所得税)相当額

★土地・建物等に生じた譲渡損失は、土地・建物等の譲渡による所得以外の所得との損益通算及び翌年以降の繰越が認められないこととなりました。

損益通算・・・各種所得のうちに損失の生じているものがあれば、その損失を他の所得から一定の順で控除すること





(3)非上場株式に係る譲渡所得の課税の特例
(平成16年1月1日以降より適用)

★上場株式等以外の株式等を譲渡した場合における譲渡所得に対する税率が、15%(改正前20%)に引き下げられました。
住民税は5%(改正前6%)





(4)配偶者特別控除のうち、上乗せ部分の廃止

専業主婦または給与収入103万円未満の場合
給与収入が
103万円以上141万円未満の場合








■平成17年度より改正事項

(1)青色申告特別控除額の改正
記帳方法 改正前 改正後
正規の簿記の原則による 55万円 65万円
簡易な簿記による 45万円 廃止
上記以外 10万円 10万円


(2)公的年金等控除の見直し及び老年者控除の廃止

●公的年金等控除のうち、年齢65歳以上の者に対する上乗せ措置が廃止されました。

●平成17年分以後の所得税について、年齢65歳以上の者の公的年金等控除の最低控除額が50万円加算され、120万円とする等の特例措置が講じられました。

●年齢65歳以上で合計所得金額が1000万円以下である者に適用があった老年者控除(50万円の所得控除)が平成16年をもって廃止されました。