新会社法

平成18年5月から施行される予定の新「会社法」とはどういうものか?

奥の深い難しい法律なので、ここではごく簡単にご説明させて頂きます。

今後どうするべきかは、よく理解し、対応していく必要があるようです。



以前から「会社法」という名前の法律があったわけではなく、営利を目的とする法人を規制

するいくつかの法律を総称して「会社法」と呼んでいました。

今回の商法改正では、会社に関連する複数の法律を一つに統合して、新たに「会社法」と

いう独立した法律が制定されます。



 

1.有限会社が新たに設立できなくなる
 
  既存の有限会社は?
 
 
@ 特例有限会社として存続 (会社形態は株式会社)
※定款の変更必要

公告不要・役員任期無しなど制度が維持できる
A 株式会社へ移行 
※商号変更と同様。法人異動届必要
※アンケートでは、約70%が現行のままという結果

最低資本金規制が撤廃される為、資本金の増額無し
(資本金1円でもOK) 
取締役任期有り・
決算公告必要(官報、日刊新聞、HP等)
2.株式会社・有限会社以外は?
合名会社・合資会社は従来通り設立できます。また、新たに合同会社

(注1)が新設
されました。


注1:有限責任で役員の権限や利益配分などを自由に定めることができ、取締役・監査役も不要です。
3.類似商号規制が撤廃
今後自社の商号と紛らわしい名前を使った会社から損害等を受けた場合

には、登記の有無に関係なく、不正競争防止法等に基づいて、誤認を招

いている客観的事実を立証すればよいので、訴訟を提起しやすくなります。

なお、他の会社と同一住所、同一商号の登記はできなくなります。
4.発起設立手続きの簡素化
株式会社を設立する場合、法務局での設立登記に際して、「払込金保管証

明」が必要でしたが、新「会社法」では
銀行等の残高証明でよいことにな

り、設立手続きが簡便になります。

※募集設立の場合には、現行どおり
5.取締役・監査役等の機関設計柔軟化
会社の機関とは、取締役・取締役会・監査役・監査役会・株主総会などを

指します。これらの機関を組み合わせることを機関設計と言います。

特に、「株式譲渡制限会社」では選択肢が広がり、会社の実情やレベルに

合わせて設計できるようになりました。


「株式譲渡制限会社」とは?

好ましくない者が株主になることを防ぐために、定款に「株式の譲渡については取締役会の承認を要する」旨を定めて、会社の承認がなければ株式を譲渡できないように制限している会社を指します。


「株式譲渡制限会社」の選択肢

 ・取締役会が任意の機関になる。
 ・取締役会を置かない会社では、取締役は最低1名でもよい。
 ・取締役会を置く会社では、取締役3名以上、監査役必要
 ・任期は、定款で定めれば最長10年まで延ばせる。

 ・取締役会を設置しない場合、いかなる事項も株主総会で決議する。

6.その他の改正事項
●適時に正確な帳簿を作成すること
「適時に」とは、記録すべきことが起こったら速やかに記帳しなさいということです。

●株券は原則不発行に
新「会社法」では原則不発行となり、定款に定めがある場合にのみ発行できることとされます。
また、株式譲渡制限会社においては、定款に定めていても、株主から請求があるまでは、発行しなくてもよいことになります。




くれぐれも、内容を理解した上での選択をお勧め致します。