『新・交際費』の注意点!
18年7月号

               
 平成18年度税制改正で、交際費の取扱いが緩和され、一人当たり5千円以下の飲食費に関しては交際費から除外することとなりました。

会社の規模に関係なく利用できるため、関心を集めている制度ですが、勘違いしやすい注意点も多いようなので、ポイントを少しご紹介致します。

 なお、国税庁のホームページ上で「Q&A」と題し、詳しく解説してありますのでそちらの方もご利用下さい。


 交際費の範囲から除外できる5千円以下の飲食とは、各人が飲食した金額ではなく、1カ所で飲食した費用の合計額を出席者数で割った金額で判定。
飲食の費用には、テーブルチャージ、サービス料は含まれるが、取引先などをタクシーで送迎するための費用は含めない。
 消費税については、飲食店の経理方式によって異なる。税込経理なら消費税を含めるが、税抜経理なら消費税を抜いた金額が合計額となる。こうして計算した金額が5千円以下なら損金に、これを超える場合にはまるまる全額が損金不算入になる。

 飲食費を交際費から除外するための要件として、飲食などにかかった費用に関する書類を保存することが挙げられている。
保存する書類の書式は問われないが、
飲食などを行った年月日、参加者数、かかった金額のほか、使用した店や料理店の名称と所在地、その飲食に参加した得意先や取引先などの社名や氏名、名称、自社との関係などを記載する必要がある。
 出席した全員を記載するのが原則だが、氏名が分からない相手方がいたり、多数出席する場合には「○○会社・□□部、氏名・他10名、卸売先」とすることも認められている。
店名では、チェーン展開する飲食店の場合、社名のみでなく、「○○店」とする記載が必要となる。

 取引先の付き合いで2次会を行う場合、「全く別の業態の飲食店などを利用するなどして、それぞれの行為が単独で行われている場合なら、各店でのそれぞれの飲食費について一人当たり5千円以下の判定をするとしている。ただし、同じ店で行った場合には、合わせた金額で判定する。
 自社の役員や従業員、その親族などを接待する場合は、社内飲食費となるため交際費から除外できない。
 接待する相手方がひとり、自社の社員が複数出席するような場合もあり得るが、複数社員が参加する必要があり、かつ、金額の要件も満たしているならば、交際費から除外できる。


   

しかし・・・ここで注意!!


この交際費に目を光らせているのが「税務調査官」

一定の事項を記載した書類を保存している場合に限って除外できること
から書類の記載事項に不備がないかを徹底チェックする構えでいる。


さらに接待する相手方の情報なども記載する必要がある
ことから、これらを使った反面調査も十分考えられる。



●税務調査でも、交際費に関する支出や証拠書類は重点的に調べられるだけに、損金になる飲食費についても徹底的にチェックされる模様だ。
●なかでも書類の記載事項については要注意!
税務調査で出席者数の水増しや接待の相手方を偽っていたことが発覚した場合、事実の仮装、隠ぺいがあったとして重加算税が科せられてしまううえに、一事が万事と疑われ、徹底的な税務調査を受ける羽目になりかねない。
●保存書類の記載不備については、一人当たり5千円以下かどうか判定する際に必要となる事項が不明な場合には、交際費から除外できない。ただし、相当の理由があれば、認める場合がある。その際は、備考欄などに理由の記載が必要。


参考資料:エヌピー通信社
      『税務通信』2926・2927号