15.2月更新  
『二代目 経営者 に問う』
 日本の経営者は戦後敬服すべき努力を払い、世界第二位の経済大国を築き上げました。しかし、近年、成功体験に酔いしれ慢心してしまった。その経営者のみならず、製造現場にまで影を落とし、今や日本のモノづくりのレベルの低下が危惧されております。
 又、今の日本はモノが売れないとか、仕事が無くて不況になっているとかではなく、ものは十分に売れているし、仕事も処理しきれないほどたくさんあるのではないかと思います。にもかかわらず、不況から立ち直れないのは原因が経済にあるのではなくて、日本人の心の中にあるからではないでしょうか。
 このような時代に、今、必要なことは、トップ自らがこれまでのあり方を反省し、謙虚になると同時に新たな目標を持つことだと思います。経営者が率先垂範し、企業革新に向けた目標を策定し、社員と共有を図りながら、実現に向けて、努力する。つまり、危機感をもって自企業の生き残り戦略を考え抜き、実践していくべきなのです。
 
  「日経ビジネス」には、望まれるリーダー像として、
  @ 長期的な視野に立って経営資源を再配分できる能力があること。
  A 目標を明確に示し、信念に従った行動できる経営者であること。
  B 情熱、ビジョン、透明性が指導者に最も重要な資質であることが理解していること。
  C 時間をかけて総意をまとめる、かつての日本流の根回しよりも決断のスピードがある事。
   と、記述されております。

そこで、二代目経営者に問いましょう


『 あなたは、21世紀に企業が成長する条件である、「明確な企業理念」をもっておられるでしょうか。 』
先哲の中村天風は次のように言っております。

『信念、それは人生を動かす羅針盤のごとき尊いものである。したがって信念なき人生は、ちょうど長途の航海のできないボロ船の様なモノである。』  と。

 これは企業も同じです。経営者はしっかりとした理念・哲学をもって経営に取り組んでいく必要があるのです。厳しい経営環境下、高い志と強固な思想に基づいた企業理念を明確に掲げ、それを浸透させる為、トップが先頭に立っている企業ほど業績を伸ばしている。いかに共感を呼ぶ企業理念を構築し、浸透させるかが勝負の分かれ目であると思います。
 企業理念の具現化を通して、経営を再構築いたしましょう。そこで、簡単に企業理念の役割、定義を参考に記述致しますので、 二代目社長自ら、真剣に策定し、さらに時代の変化で新しい課題が出てきたと思った時は、書き換えや修正をして、環境に対する自社の姿勢を新たに追加していきましょう。
企業理念の役割
 
企業理念は経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・知識・ブランド)の上位に位置付けられるということ。
一般の投資家(消費者)は企業理念の内容をみてこの企業が市場に十分受け入れられると判断すれば投資(消費)するものである。
新規学卒者や中途入社を考えている人は、その企業の企業理念を他社と比較して入社を希望する。その意味から、自然と人が集まるような崇高な企業理念を策定することが大切である。
これからの社長は社長個人に忠誠を誓うのではなく、企業理念にうたわれている企業哲学を読み、自己実現が可能であると判断すれば、会社に忠誠を誓うことになる。
社長は企業理念の策定にあたっては、高い志と強固な思想を掲げ、社長自身も企業理念を目指す一人であると同時に社員に対して決して自分への忠誠を求めてはならない。
企業理念が社長の暴走を防いだり、牽制の働きをする。
企業理念は社長の分身である。
企業理念こそが一番重要な商品である。
競うべきは企業理念である。
  
以上、企業理念の定義と役割を理解し、企業理念の構築を通して、自社の経営をもう一度見直し、目標を明確にして自らの足で力強く歩んでいただきたのです。
 社長業は脚光を浴びるところです。だけど、脚光を浴びていると人間は安心してしまう。結局は自分のありのままの姿勢を見失ってしまう。そして慢心してしまう。従って、企業の社長というのは最初に就任する時にちゃんと目標を立てて、辞任する時期まで決めておくべきでしょう。
二代目社長 頑張れ!!
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