15.4月

個人の確定申告も終わり愈々、春爛漫、爽やかな季節を迎え皆さんいかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は先月に引き続いて公益法人の実体についてお話しましょう。

     所得があれば課税は原則

 現行法人税法では、いわゆる中間法人を課税対象とする一方で、公益法人・NPO法人は『原則非課税』とされているが将来的には、これらの法人を一体的に『非営利法人』と位置付け原則課税とする方向。
 公益法人等については、これまで私的経費の付け込み等の課税逃れが問題視されてきたが、課税見直しにより、こうした不正にいよいよメスが入ることになる。
 政府は今年度末にも『 公益法人制度改革大綱 』を策定する予定で、同大綱の中に税制面の手当ても盛り込まれる予定。具体的な税制改正の実施は平成17年度となる模様である。
      
      社撰な現行税制はこうである。
現行法人税法上、公益法人や特定非営利活動法人(NPO法人)については、先月もお知らせしましたが、33業種の収益事業による所得を除いては原則非課税とされ、さらに公益法人については、法人税率が一律22%と優遇されているほか(NPO法人等は所得800万円まで22%)寄付金枠が所得の20%(学校・社会福祉法人等は50%又は年200万円のいずれか多い金額)まで認められるなど手厚い課税優遇措置が手当てされている。
      

こうした中、公益法人等を巡っては私的経費を法人に付け込むなどの不正や、非課税となる会費を多額に徴収し、内部留保を過度に蓄積し、民間企業より有利な条件で経済活動を行う例など問題視されてきた。

具体的にわかり易く説明すると、

収益事業の経費の中に非課税事業分の人件費や広告宣伝費、交際費等を多額に振替へ、課税される収益事業の所得を減額させようとするやり方。その分非課税事業分は所得が増えるが、これには税金がかからない。これを非課税事業分に内部留保するのである。
 これが天下り官僚の退職金に化ける。
収益事業の部門で所得が発生した場合、非事業部門に寄付金として、所得の20%を限度として寄付している実態がある。収益事業の所得隠しというところである。民間企業では厳しい寄付金損金不算入の基準で制約されているのに・・・。
 公益法人の過大役員報酬を知っていただきたい。天下り官僚、天下り公務員が実質基準をはるかに超えた過大な役員報酬をとり、なんの手当ても問題視もされていなかった。小泉首相よりもかなりの高額報酬なのに・・・である。しかも、非課税事業であるから税務署も手の出しようがない。民間企業では過大役員報酬として否認を受けるのに・・・である。さらに、彼等が2〜3年で公益法人を退職する時のその退職金も法外な2000万〜1億というから驚きである。大体民間企業では2〜3年での勤務で退職金を出せるほど余裕はない。非課税事業のこのような不合理なことが我々の税金で賄われている事に、
皆さん!目を向けてもらいたいものである。

 さぁ、遅きに失した税制改正が17年度と決定したが、これも本当に遅い。

消費税改正は16年4月1日施行とアッという間に決定された事実を皆さんどうみます!

 もっともっと国民の皆さんが知るべきであり、チェックすべきでありましょう。皆さんの周りに天下り先の、名ばかりの公益法人がどんなに多いことか!

 国家公務員の過度の優遇措置を、せめて民間企業レベルにすれば、国の財政建て直しも、民間企業の経済活動の活性化もスムーズに好転すると思いますが如何でしょうか。

さて、次回はこの役員報酬の実務講座を形式基準と実質基準からお話しましょう。
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