15年 5月 更新

薫風爽やかな季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか。       

早いもので今年も四ヶ月が経ちましたが、この個人再構築の時代にしっかりと社会の変化への適応はできているでしょうか。

今日は『宮本武蔵の人生訓』(童門冬二著)から抜粋してみます。


情報は一歩先の変化を読め

武蔵が生きていた時代は、今でいう激動の時代であった。それまでの日本を支配していた価値体系が壊れ、新しい価値体系が生まれていた。日本は、その新しい価値体系で編成された近世に入っていた。

 武蔵は流浪生活を長く送ったが、彼の流浪は、単に日本の国々を訪ね歩いたということだけではない。必ずそこで情報をキャッチした。情報の仕入れ先は、特に安い宿屋であった。今でいう、ビジネスホテルや大衆酒場やビヤホールの中にどんどん入り込んでいって、そこで庶民から、偽りのない本物の情報を仕込んだのである。それが武蔵の人生観を組み立てていった。現代も同じだ、と武蔵は言うだろう。

物事の景気と云う事は我が智力つよければ必ず見ゆる所也
                                 ( 五 輪 書 )  
 
人が沢山集まる場所へ行きなさい。そして情報を仕入れなさい。しかし、人から聞く話や、読む新聞や週刊誌や、あるいはテレビその他から仕入れた情報を、他人と同じように受け止めていたら、それは駄目ですよ。むしろ、その情報の中に含まれている半歩先、一歩先の変化を読みとらなければ、情報をいくら大量に仕込んでも意味はない。そこが、情報に対して、あなたがそれを活用できるかどうかの分かれ目だ。同じことを聞いても、同じことを読んでも、違うことを感ずるような情報の処理方法が必要ですよ。
・・・・時代の流れに処す・・・

さて、役員報酬についてお話しましょう。     
役員報酬の規定では、1.商法上の役員報酬と、2.法人税法上の役員給与の両規定を十分に理解する必要があります。
それぞれの法人に於いて、適正な役員報酬額を決定する場合には、この1,の両規定の範囲の中で決めることになります。
では、1.商法上の役員報酬(形式基準)と、2.法人税法上の役員給与(実質基準)について説明をいたします。
1.商法上の役員報酬

取締役と会社とは委任の関係ですが、取締役の地位の専門性、責任の重大性等の観点から、報酬支給の特約が明示的または黙示的にあると解されています。報酬の額については、その決定を取締役会に任せるとお手盛りの弊害があるので、定款又は株主総会の決議で定めることを要します。

 役員報酬が、@職務遂行の対価であり、その支払いは利益の有無に関係なく会社の経費として支払われ,A額については最高限度額を株主総会で決定し、各取締役の配分を取締役会に委ね、又、監査役が数人ある場合は最高限度額を株主総会の決議で決定し、個別額は監査役の協議に委ねることが可能です。
取締役と監査役については、別個に定めることを要します。

2.       法人税法上の役員給与

法人税法上は、報酬、賞与を直接定義せず、報酬は給与のうち賞与と退職給与を除いたものであり、臨時的でない、定期的、経常的な給与ということになります。

 また通達では「臨時的な給与」について「特定の月だけ増額支給された場合には、各月に支給される額を超える部分の金額は臨時的な給与とする」とされており、報酬とは定期・定額でなければならないのかという点が実務上多く争われています。この争点は次回検討しましょう。 

では、皆さん今月は武蔵の心境になって挑戦してみましょう。私も今月は居酒屋やスナックでの情報収集に走ってみます。乞う!ご期待!