H15.7月更新

『よく見れば なづな花咲く 垣根かな』・・・・芭 蕉

21世紀に入りあらゆるものが変革期に入っています。バブル崩壊以降景気の低迷を嘆く声が至るところで飛び交っていますが、旧来のやり方を引きずっている限り、事態の打開は難しいと思います。現在は単に品質が良いというだけでは不十分で、自然に優しく、日陰の人々に温かい企業姿勢が共感を呼び、業績に結びつく時代になりました。今後、会社(事業)が競争力を身につけていくためには、そういう新しい視点が必要になります。

芭蕉の句にならい、小さな美しい変化を見つける心と、取り入れていくべき変化と捨てるべき変化をしっかり見極める智恵が重要だと思います。その智恵を自分のモノにするには経営者の人間力を高めることが不可欠ではないでしょうか。

人間力を高める

人間力という言葉は辞書にはない。人間力とは何か。人間力とは人間の総合的な力のことだろう。知識、技能、人間関係、実行力、徳性といった諸々の要素が練り上げられ、発酵し、結晶するもの、それが人間力であろう。

人間力を養うには何が必要か。根本になくてはならないのは、の一字である。物事に出会い、人物に出会い、発憤し、感激し、自己の理想にむかって向上心を燃やしていく。そういうものを根本に培っていない人に、人間力はついてこない。

次に大事なのはである。といってもいい。いかなる志、夢を持っているか。その内容が人間力の大小厚薄重軽を決める。第三は与えられた場で全力を尽くすこと。第四はその一貫持続であり、第五はすぐれた古今の人物に学ぶことである。

そして、最後に大事なのは素直な心だろう。松下幸之助は最晩年まで『素直な十段になりましょう。』と言い続けた。素直な心、柔軟な心こそ、人間力を高めていく上で欠かせない一念である。

さぁ、2003年も速いもので半年が過ぎてしまいました。今年度の計画した初期の目標は達成されたでしょうか。「ウチは順調に推移しているよ。」という企業はどのくらいあるでしょう。7月、立ち止まって確認をいたしましょう。やむを得ず軌道修正せざるを得ない企業も出てくるかもしれません。そのときは勇気をもって決断しましょう。

『企業は人』『経営者の資質』『目標の完遂』半期の成績を振り返り、さぁ後半への挑戦は始まります。頑張っていきましょう。

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