所長の部屋16.6月

6月になりました。鬱陶しい梅雨の到来です。晴耕雨読のこの時期に今年前半の成果を確認しましょう。
「経営に何か足りない」そう感じた方々は是非二人のメッセージを拝見してみてください。


公的なものへの貢献に徹する

稲盛 和夫(京セラ名誉会長)


会社を起こそうと考えている人、または既に起業している人たちは、少なからず自分の会社をこういう会社にしていきたいという姿を描いているはずです。しかし、それが漠然としたものでは意味がありません。まずは、そうした
自らの思いを固定し、明確化することです。 


そして、最も大切なことは、そのビジョンや目標を達成したいという思いが、どのようなものかということです。できれば、私利私欲から離れた大義を押し立てて欲しいと思います。


企業経営の動機が私利私欲によるもの、いわば欲望をエンジンとしたものであれば、自分自身を動かすことはできても、ギラギラしたものがにじみ出てしまい、社会や他人から必ずしも好意的に迎えられるものではなくなってしまいます。そこで、
私利私欲から離れた、利他の心に基づく動機が必要になるわけです。


つまり、自分自身のためではなく、同僚のため、お客様のため、地域や国のためにといった公的なものに貢献するという
「大義名分」を、会社の存在意識として確立するのです。
PHP Business Review」  

            

自利とは利他をいう

TKC全国会名誉会長 飯塚 毅

自利とは利他をいう」とは、「利他」のまっただ中で「自利」を覚知すること、すなわち「自利即利他」の意味である。他の説のごとく「自利と、利他と」といった並列の関係ではない。

 そう解すれば自利の「」は、単に想念としての自己をさすものではないことが分かるだろう。それは己の主体、すなわち主人公である。

 また、利他の「」もただ他者の意ではない。己の五体はもちろん、眼耳鼻舌身意の「意」さえ含む一切の客体をいう。

 世のため人のため、つまり会計人(経営者)なら、職員(従業員)や関与先(お客様)、社会のために精進努力の生活に徹すること、それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ。

 そのような心境に立ち至り、かかる本物の人物となって社会と大衆に奉仕することができれば、人は心からの生き甲斐を感じるはずである。

自利とは利他をいう。含蓄のあるお言葉でありますが、私においては「言うは易し行うは難し」(言行不一致)の感じがしてなりません。しかし、世のため人のため、を忘れてはなりません。
ロータリーの四つのテストでは
@真実かどうか
Aみんなに公平か
B好意と友情を深めるか
Cみんなのためになるかどうか

を毎月初めに唱和しています。とても人生にとって重いテストです。では、又。