16.9月  所長の部屋

 
トヨタがGMを追い抜く日
    純利益一兆円『怪物企業』の挑戦  
 この三月期決算で、 トヨタ 純利益一兆円を突破しました。純利益がトヨタを上回る企業は、世界でもエクソンモービル、シティグループ、ゼネラル・エレクトリックの三社しかありません。製造業としてはトヨタ世界一です。販売台数を米ビッグ3と比較しても、すでにダイムラー・クライスラーを抜き、フォードと肩を並べた。いよいよ巨人GMを射程に捉えたのではないでしょうか。しかし、トヨタはそのような認識はなく、むしろ開発から生産技術、調達や販売に至るまで、課題だらけという。この課題に対して、着実に対策が打てているのか、経営がきちんと検証していかなければならないと、社内の引き締めに躍起になっている。トヨタがやってきたのは、そうした課題に対して細かい改善の積み重ねであり『地道に愚直に徹底的に』というのがテーマなのである。トヨタ人を大切にして、あらゆるムダ・ムラ・ムリをなくして作業の効率や仕事のやりやすさを追求する。そして人のやりがいを最大限に引き出すことを目的にしている。トヨタには経営トップたちの多くの 名言 があり、これを紹介しましょう。
『トヨタウエイ名言集』
『営業的試験を為し、その成績充分にあらざる間だは、決して販売すべきものに非ず』
豊 田 佐 吉
   
『私の父は学問があったわけではありません。唯一の強みは一つのことを信じ抜いたことです。「日本人には隠れた力があるんだ」と。自動織機はその信念が生み落としたものです。』  
豊田 喜一郎
   

『ソフトばかり作ってどうなる?製造業あってのソフトウエアなんだ

豊 田 英 二
   

『三つのC:CreativityChallenge and Courage

豊 田 章一郎
   
『海外への工場進出というのは、輸出するのと違い、大きなリスクを伴うものだ。しかし、一旦進出すると決めたからには中途半端なことはしたくない』
豊 田 英 二
 『 カ イ ゼ ン 』 とは何か?
『研究と創造にこころを致し、常に時流に先んずべし』
豊 田 綱 領
   
『機械的に考えるのではない。乾いたタオルでも、知恵を出せば水が出る
豊 田 英 二
   
『・・・問題が管理監督者の知らない所で繕われていてはいつまで経っても改善は進まないし原価は安くならない。異常があれば機械を止めるということは、問題を明らかにするということでもある。問題がはっきりすれば改善も進む』
大 野 耐 一
   
『何も変えないことが最も悪いこと』
奥 田  碩
   

(米国工場社員は)最初は問題点を指摘するのを嫌がった。個人の責任にされるのを恐れたからだ。しかし、しばらくすると、問題点を発見することは全員の利益になることであり、リーダーはそれを望んでいることが浸透してきたのだ』

アレックス・ウォーレン

 現 地 現 物 主 義
『出来ないと言う前にまずやってみろ』
豊 田 佐 吉
   
『先入観を持たず、白紙になって生産現場を観察せよ。対象に対して五回の「なぜ」を繰り返せ』
大 野 耐 一
   
『「原因」より「真因」。原因の向こう側に真因が隠れている』
大 野 耐 一
   

『手を汚さないで仕事ができるか』

豊 田 喜 一
   

『障子を開けてみよ。外は広い』

豊 田 佐 吉
   
『・・・下請けいじめにより親企業が業績を上げるというような意図は、トヨタ生産方式の考え方と全く相容れないものです』
大 野 耐 一
 チームワーク
『人間がモノをつくるのだから、人をつくらねば仕事も始まらない』
豊 田 英 二
   

『仕事は部下との知恵比べ』

大 野 耐 一
   
『仮にひとつの決断をしても、経営トップは単に旗振り役に過ぎない。その振った旗にみんながついてきてくらなかったらダメだ』
豊 田 英 二
   
『人間の一生というのは何時間の集まりだから、一時間という時間も一生、すなわち命だ。従業員は自分の一生のうちの大切な時間を会社に提供してくれるわけだから、友好に使わなければ命を無駄遣いすることになる』
豊 田 英 二

           The Toyota Way 2001』より 

トヨタは大企業だから細かい改善ができたのではありません。むしろ、中小企業がやらなければならないことを先んじてやってきたのです。これらの名言集を読んでみて中小企業でも取り組めること、身近なことがたくさんあります。カイゼンとは何か、現地現物主義、チームワークとは・・。社長自らが率先してやらなければならない時、目先の安易な利益確保のために見失ったものがありませんか。まず、自分の周りを固めることが先決であることを認識いたしましょう。