H17.8月更新 所長の部屋 

暑い日が続きますが皆さんお変わりなくお過ごしでしょうか。長崎の経済状況は相変わらず厳しく、中小・零細業者の方々は必死の形相で頑張っております。中央の政治家や官僚は一体何を考えているのでしょう。一日も早く中小企業対策を講じて頂きたいものです。もう辛抱も限界の処まで来ているというのに・・・。

さて、七月の初めに税務署の人事異動も終わり、八月になりますと法人税・所得税・消費税等の税務調査が本格化致します。当、事務所でも関与先の事業者の事後調査が始まりました。我々業界ではこの税務署の税務調査がなければ本当にいい仕事と感じますが、これは納税者と共に最もイヤな、出来れば避けて通りたい気持ちであります。

                      

そこで今回は税務調査官の間で古くから教え伝わる『調査イロハ手引き』をご紹介しましょう。

調査イロハ手引き (抜粋)
イ、  一枚のメモが 何より物を言い

調査を行う際には、どんな細かいメモでも解明できるまで捨ててはいけない。
ハ、  話の中の 嘘探せ

話の中の矛盾点を掘り起こす。
ホ、  骨折り損は 後で得

その事案で効果がなくとも次以降の事案で生きてくるので、手を抜かないこと。
チ、  チリ箱は 不正の山の宝庫なり

チリ箱には不正に関するメモ等が破り捨てられていることがある。
カ、  顔色でわかる不正の 隠し場所

真実を指摘した時には、相手の顔色・動作に変化が起こるものである。
タ、  たたかれて 強くなるのは 脱税者

たたかれると次の新しい脱税の手口を考えるので、常に調査法の研究を。
ラ、  乱暴な相手は 特に親切に

乱暴な人間ほど気が小さいものであるから、親切に説得すれば理解してくれる。
ム、  無理するな 資料はいつか役に立つ

収集先秘の資料の手掛かりが会社内で発見できなかったら、その資料は使うな。
マ、  真面目な人でも 脱税者

刑法上の犯罪はやりそうにない人でも、脱税は気軽にやれる。
エ、  襟正せ 相手は親と同世代

とかく頭を下げられて態度が大きく成りがちであるが、年長者でしかも従業員を使用している企業の長である。
テ、  的確な 準備調査をしっかりと

調査に行ってまごつかないよう、着眼点を絞っておくこと
キ、  気にするな 是認と増差は 運次第

自分は是認でも、不正している相手なら、次の担当者が発見してくれる。
メ、  目は口ほどに 物を言い

相手の目が何回となく一点を指したら、そこに不正の証拠があると思え。
ミ、  自らの手を使うより 相手立て

自分の作業をより少なくするよう頭を使い、相手をたてながら相手にやらせる。
セ、  世間ばなし 本音をちらっと口走り

昼休み等に調査に関係ない振りして、世間話をするとヒントをひきださせることもある。
ス、  すり切れた 袋に大事な宝あり

汚れた古い鞄等に大事な物は入れてあるので、現況時は注意を払うこと。

如何でしたか。税務調査はホントいやなものでしょう?だって、悪いことをしていなくともこれだけ疑ってかかるわけですから。でも、調査官も大変なんですね。上司から「何が何でも税金を取ってこい。」なんてハッパかけられて、取れなかったら、「おまえ、誰から飯喰わさせてもらってるんだ!」なんて言われているのですから。

 関与先の皆さんは決して不正なことはしないで公平な申告・納税をいたしましょう。火傷をしない前に。

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