H17.11月更新

所長の部屋   早いものでもう2005年も後二ヶ月になりました。皆さんにはお変わりなく生業に励んでおられることでしょう。先々週10月23日の菊花賞は見られましたか。凄いですね!あの440キロの競走馬としては小さな部類に入る ディープインパクト号 が無敗の三冠馬に輝きました。あの追い込みに懸ける瞬発力・破壊力は競馬史上類を見ない強さです。又、エスコートする武 豊 騎手は真の天才ジョッキー、かかっていこうとする馬を御し、落ち着いた騎乗ぶりは何とも言えない絵になる最高の乗り方でしたね。まさに人と馬が一つになる人馬一体とはこういう事をいうのでしょう。

 我々の仕事においても従業員と経営者がこのように一体になれば鬼に金棒、強い経営ができるのではないでしょうか。

  さて、今回は『いいちこ』を世界の酒にと願っている
三和酒類 株式会社 会長 西 太一郎さんの講演をご紹介しましょう。
「いいちこ」を世界の酒に
 家業から企業へ三和酒類の誕生

私どもの会社は昭和33年に日本酒を造っている三つの会社を合併した会社です。日本酒を造っている酒造元は今でも厳しい状態にありますが『家業から企業へ』をうたい文句に会社が始まりました。そのとき議論したのが会社は何の目的で設立するのかということで、結局『会社は継続のためにあるのだ。利益はその手段だ』という結論に達しました。


 値引き競争の日本酒から品質競争の焼酎へ
 日本酒の業界は灘の大手メーカーが九州に進出してきて、値段競争をしなければモノが売れなくなり値引き合戦をイヤと言うほど体験し私達はこれを回避しようと一生懸命努力をし、焼酎業界に入りました。品質競争はするけれども、値段競争はしないという状態でいく覚悟です。

 麦麹で生産地トップへ
 大分の麦焼酎がなぜこのように急速に焼酎業界の中でトップの座を占めるようになったかということをもう一度考えますとそこには秘密があります。それは大分の麦焼酎は、麹を麦で造る特殊な焼酎であります。業界での中でもアッと驚く発想であります。麹を麦100%で造るという発想が大分の麦焼酎を今の地位にあらしめたと思います。これは独創的な商品ですから、焼酎らしからぬ香りとして持て囃され、口コミで大変な評判をよんだのです。独創的な商品を造るということが、絶対の条件であります。

 素材・技術・誠実が品質の決め手
 会社では『一つ、品質第一。一つ、安全運転。一つ、お陰様で』という、この三つの言葉を社是として毎日、全社員で唱和しています。品質第一とはまずは素材を究めます。次に素材の良さを引き出す技術を究める。三つ目に素材の良さを引き出す技術を究め、素材の良さを追求する。誠意を持って造るということです。さらにブランド商品にどうしあげていくかを考えていくのです。

 買い続けてもらう5つのポイント
 ここで買い続けてもらえる商品かどうかというときに、5つのチェックが必要です。それは商品力をどのようにテストするかと言うことであります。
まず、第一に 独創的な商品であること

 第二に  その商品の値ごろ感。トクをしたという感じのあるものかどうかということ。

 第三に  内容は絶対の本物であること、後ろめたいということは絶対にいけない。

 第四に  例えば「いいちこ」の商標を考えてみたときに、親しみを感ずるというような意味合いの親しみがあるかどうか。

 第五に  企業の思い入れや誠意・誠実が大切である。

 そういう具合に考えて、この5つのチェックをしてみて、そのうち3つは絶対に二重マルであるというようなものでないと、買い続けてもらえる商品にはならない。商品力として欠点を持っていることになる。私どもの商品は絶えずこのようなチェックをしながら進んでいるのです。

 如何でしたか。買い続けてもらおうとするときのヒントがたくさん込められていると思いませんか。我々もこのように商品力を確かめる必要があると思います。良い商品なら売れるという時代ではなくなっているのです。独創的・・・これが大事ですね。
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