18年10月更新 所長の部屋  
   “悠然と 大地に根づく 高野槇 
        
日の本国の(ひのもとくにの 明日を讃えん”

 さて、九月は皇室に41年ぶりに親王さまのご誕生と嬉しいニュースが飛び込んできました。国民のみなさんが心から喜び、親王さまの健やかなご成長をお祈り申し上げましたが、心無いマスコミが やれ“雅子様はどう感じただろうか” とか  “オランダに逃げた” とか “皇室典範は解決していない” とか “国民を無視している” とか・・・まだまだたくさんの悪意に満ちた矢玉を撃ち放しております。
 どうして素直に喜べないのでしょう。おめでたいことはおめでたいと・・、嬉しいことはみんなで分かち合って喜び合おうと・・・このような素直な心がなくなったように感じるのは私だけでしょうか。

  さて、今月はまもなくクライマックスを迎えるNHK大河ドラマ『功名が辻』に出てくる黒田官兵衛孝高(よしたか)という武将についてお話ししましょう。

 黒田官兵衛孝高豊臣秀吉に仕え、抜群の才能を発揮し、秀吉の天下取りに最大の貢献をした人ですが、才覚があり過ぎる為に秀吉に警戒され、豊前八万石余りしか所領を与えられなかったのです。
 そして、秀吉が天下人となった後も自分の動きに警戒心を持っていることを知って、家督を長政に譲り、隠居して名を『如水』と改めます。

 しかし、家臣達が何でも自分に相談しに来るのを見て、人間が変わったかのように怒りっぽく、傲慢な振る舞いをし出します。これがあまりにひどいので家臣達は長政に陳情し、如水に行いを改めてくれるよう嘆願したところ、如水は
 「わしはわざとやっている。というのも未だに家臣どもがお前を差し置いて、わしの所に相談に来るからだ。これでもう家臣は何でもお前に相談するようになるだろう。」と言ったということです。

如水の知謀の凄さが分かります。

如水が残した有名な『水五則』という教訓をご紹介しましょう。

         『 水 五 則 』
 
ー、自ら活動して他を動かしむるは水なり
 
ー、常に己の進路を求めて止まざるは水なり
 ー、障害にあいて激しくその勢力を百倍し得るは水なり
 
ー、自ら潔うして他の汚濁を洗い清濁併せ容るるの量あるは水なり
 
ー、洋々として大海を満たし、発しては雲となり、雨と変じ霧と化す。
   凍っては玲瓏たる鏡となり、しかもそ
の性を失わざるは水なり

如何ですか。先人の魂は今の我々にもハッとさせられることがたくさんあります。我々も『水の如く』ありたいものですが、私なんかつい“上善如水”の日本酒を頭に浮かべるところがまだまだ凡人でして・・・。
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