19年 1月更新 所長の部屋 



  新年明けまして
  おめでとうございます。
 

 
本年もどうぞよろしくお願い致します。
 新たな年を迎え、皆様方におかれまして
 よい年でありますよう心よりお祈り致し
 ます。

                
 
 当方も今年3月、齢を重ね60の還暦を迎えます。まさか60歳になるまで税理士業を営むとは思いもせず、後継者育成に手間取った気がしております。本年はまず後継者育成に力を入れ、世代交代を真剣に考えていこうと思います。
 私個人の本年のテーマは“笑顔”暦が還って厳しい顔から赤子のように柔和な顔に変身です。どんな時でも人を怒らず傷つけず、優しく微笑みその人の心身を癒して、
Enjoy my life を邁進していこうと思います。
                                        

 今年第一号は
文藝春秋11月号の“皇后美智子さまのお言葉”を掲載させて頂きました。文藝春秋は私の愛読書の一つですがこの号は永久保存版、皇后美智子さまのお言葉に接し、涙がこぼれ底知れぬ感動に浸りました。年の始めにふさわしい温かいお言葉です。

             皇后美智子さまのお言葉より        
     
―人がいまだ歩まぬ道を――

 road not takenという詩の言葉があります。人が歩いた道とまだ歩んだことがない道、どちらを選ぶと言えば、絶対に『road not taken』だと思うのです。人が歩んでない道、そこを歩んで行くことこそ、とても大切だと思います。

―島崎藤村に託して語られた『生きるかなしみ』とは――

 Survive・・生き抜くこと・・Survive とは、組織の中でたくましく生きるというような意味ではありません。むしろ、どのような者にもその人生を生きる意味と価値があり、生きなければならないという意味です。
 学生時代、島崎藤村の『春』という小説を何度読んだか知れません。自分のようなものでも、生きていく意味があると、この『春』を読んで感じたことでしょう。人はときに、死んでしまった方が、と考えることがあることを理解できます。しかし、人はみなそれぞれの人生を生きていく意味があるのです。

―困難に立ち向かわれるお心――

 読書は、人生の全てが、決して単純でないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。
 今回お招きを頂きながら、ニューデリー会議に直接参加出来なかったことは、本当に残念でした。(中略)どうかこれからも、これまでと同じく、本が子供の大切な友となり、助けとなることを信じ、子供達と本とを結ぶ
IBBYの大切な仕事をお続け下さい。
 (国際情勢悪化で出席叶わず、ビデオメッセージをされました。)

  子供達が自分の中に、しっかりとした根をもつために 子供達が喜びと想像の強い翼を持つために子供達が痛みを伴う愛を知るためにそして、子供達が人生の複雑さに耐え、それぞれに与えられた人生を受け入れて生き、やがて一人一人、私共全てのふるさとであるこの地球で、平和の道具となっていくために            (定本「橋を架ける 子供時代の読書の思い出」 1998年すえもりブックス刊)

―「根」を持って生きる――

 根の意味はヒーニー氏が掲げたように、『自分自身の心を持って語る。そうすれば同じように人間の心を持った人を動かすことができるもの』・・その音、言葉に大変心を揺り動かされた・・と。

―生きることの悲しみ――

 『生きている、そのことの存在自体に付随する悲しみがある。そしてそのような一人一人の悲しみはお互いに簡単に癒されるものではない。むしろ、一人一人がそのような悲しみを背負っていることを、互いに認め合う、それが大切なのではないでしょうか。人にはお互いに他人の中に入っていってはいけない、むしろいくべきでない領分というものがあるのではないでしょうか。しかしそれぞれに悲しみを背負っているのです。』

『人は互いに独立した存在であり、だからこそ、その人の存在の価値があり、そして他人はその人の心の中、悲しみに入り込んでいくことはできません。しかし、お互いが悲しみを背負った存在であること、それをいつも思いやることが大切です。


 皇后さまは、ご誕生になられた悠仁親王さまに、白い小さな靴を差し上げられた。親王さまが、立派に一人で歩かれる未来を願いながら、そしてこれまで述べてきた皇后さまのお言葉に「一人一人がその人生を価値あるものとして生きていくことを願う」というメッセージが込められているように・・・・
 皇后さまが手にされた白い小さな靴は、我々一人一人の前にも差し出されているのではないだろうか。
           

   文藝春秋 11月号 皇后美智子さまとの対話・・小池政行より

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