所長の部屋・・19年7月更新

今年の6月は気候的にも重大な異変が発生、梅雨時期に渇水対策、給水制限と、これから炎暑を迎える7月はどうなることでしょう。この異常さは日本に、日本人に警鐘を鳴らしているように思われてなりません。 

世相を端的に表現すれば「ゆるんでいる」「乱れている」「腐りきっている」、このような言葉で表現されるのではないでしょうか。

それも若者レベルの話しではなく一流企業のトップの辺りから、国益を守るべき政治家・官僚辺りから。あきれるほどずさんな年金問題しかり、相次ぐ官公庁の情報流出やコムスン事件に象徴される大企業の不祥事もそう。社会全体のモラル崩壊に歯止めがかからない。

いつのまにか消えてしまったこの国の美徳である「恥の文化」。」「罰(ばち)があたる、お天道様が見ている」といった自主規制的観念も同時に失われ、残ったのは“自己中心的単純合理性追求型”の社会 道徳論が通用しないから、「罰」の効用にしか期待できない。

 毎日のように繰り返される社長の平身低頭、『記者会見、みんなで謝れば怖くない』というブラックユーモアに言い換えることしかできない国民のみなさんたち。「みんなで謝れば恥ずかしくないのか!」と、怒鳴りたくなりませんか?
ちょいと列挙してみましょうか。

@     生命保険会社・損害保険会社の保険請求未払い

A     全国12電力会社の発電所トラブル隠し。

B     農協のJA共済連の不払い

C     官製談合の数々

D     緑資源機構の林道整備に絡む談合・・虚しい政治家の自殺

E     薬害判定の学者に製薬会社からの不明朗な研究費

F     テレビ番組のねつ造、

G     リコール隠しをした自動車会社

H     ライブドアの不正を公表しなかった公認会計士

I     洋菓子づくりでの手抜き・原材料の腐敗

J     エレベータ保守の手落ち

K     プロ野球球団による学生選手の資金供与

L     新日本製鐵の元会長の相続に絡む脱税―――まだまだ数え切れない各業界の不祥事。


「家族には母親の暖かさ、父親の厳しさが共に必要。その父親の背骨の役をはたしてきた武士道的なものが敗戦の自信喪失により父親から失われた。
 いまの社会の指導者層はそうした変則的な家庭教育から巣立ったので『恥の文化』を失っている」

  ―鎌倉・円覚寺・・足立大進管長―

「戦闘におけるフェアプレイの中に道徳の萌芽があり、その道徳を守ったという名誉が得られるならば生命さえも廉価と考えられたのが武士道だ」

      ―新渡戸稲造の『武士道』―


 

その武士道も昔の話で、いまや社長も周りの役員も会社が正しいことを貫いたという評価よりも、バレなければそのまま不正な利益を蓄えられるという現ナマのほうに目がくらむご時世なのです。

国民がコツコツ蓄えた年金を食い物にし、いくつもの天下り先をつくり、預かった年金を助成金として配布した社会保険庁、まだ国民にバレていない労働保険料の無駄使い・・・ 

これらは国民の、事業者の税金の一部ではないか。怪しげな公益法人に助成金を配布し、それを政治資金として政治家にわたる循環型税金の浪費を許して良いものだろうか。外国では暴動モノですよ。

 役人を取り締まる水戸黄門様の出現を待ち遠しく思いませんか。自民党でもなく民主党でもなく共産党でもない真っ正直な人の出現を

日本は世界で唯一の『情緒と形の文明』の国なのです。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきたのでしょう。

「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできないと思います。
いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であると思いますが如何でしょう。

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