所長の部屋 平成19年11月更新 
『音たてて 立冬の道 掃かれけり』 (岸田稚魚)
立冬―――最近は温暖化が進み“冬来る”と言えども11月の初めはまだまだ秋。
 しかし、日中の陽射しは幾分弱まり日暮れが早くなって朝夕には空気の冷たさを感じ始 める頃です。季節感がなくなって久しい現代人の暮らしですが古来より大切にされてき た日本人の自然観はまだこんな言葉に残されているようです。
 
  皆さんお変わりありませんか。今年も残すところ二ヶ月、20
07年の最終章を気分良 く立ち振る舞っていきましょう。

 このところ、スポーツ界では何やらきな臭い話題が満載、それに飛びつく目に余るマ スコミの論断、つい最近まで朝青龍の話題かと思ったら、力士死亡事件にまで波及し、 そしてプロボクシングの亀田一家の金にまつわる話題にまで発展・・・マスコミの取り 上げ方にも大いに問題ありと思いませんか。

 さて、今回は相撲協会の親方株のお話をしてみましょう。

                           

 
親方株の譲渡における税務問題

時津風親方(本名=山本順一)が解雇された。解雇前に親方株を手放し、同部屋の時津海がこれを所有し、現役引退することとなった。
 ここで気になるのが相撲部屋の事業承継問題


 親方株とは、年寄株とも呼ばれるが、正式には「年寄名跡」という。親方となって相撲部屋を経営するために必要な資格だ。名跡は105あり、理事会の承認による。

 ちなみに、親方になると相撲協会から80万〜145万円の給料のほか、手当が支給される。さらに、師匠をしている親方に、幕下以下の力士1人につき、毎月7万円の養成費力士1人当たり毎場所115千円の相撲部屋維持費などの経費も支給される。
 つまり、親方株を持つことは、
65歳の定年まで協会から給与を得る権利を手に入れることになるわけだ。そのため、譲渡には億単位のカネが動くといわれ、親方株の動きには税務当局も注目している。

それにしても財団法人日本相撲協会は大金持ちであることよ。

 現在、収益事業団体でもないのに剰余金
500億円以上を蓄積しているとの噂もある。国技という名で教育の一環なのか公益なのか理解できないが、全ての収益が無税である。その上、あの親方衆や理事の面々の力士死亡事件の責任の取り方、対応の稚拙さ、これが心・技・体の高揚に努める協会の姿なのだ。

 会社の株と違い、とかくあってないようなものといわれている親方株の値段をめぐっては、平成15年親方株を譲渡した側が譲渡代金17500万円という庶民には信じられない額で取引されており、今回は何億だったのか税務当局に調べてもらいたいものだ。

 時津風部屋の新しいスタートで、相撲部屋の事業承継に関心が集まったが、親方株の取引価格の実情についてはいまだ噂の域を出ず、公表されることはない。
 
 しかし、退職金なしの厳罰、“解雇”のはずの山本氏に、親方株の高額な譲渡代金が支払われるのであれば世間は納得しない。

一般企業とは異なる公益法人でもある協会は、ナゾに包まれた親方株の取引について、実態を公表すべきではないだろうか。

                              (納税通信第2995号より一部抜粋)

       
        

 この私の部屋では何回も取り上げた公益法人の問題、無駄遣いの惨状たるや一般庶民は腹が煮えたぎるほどの憤りをどこにぶち上げたらいいのでしょう。

 厚生労働省の天下り先や国土交通省の天下り先、その他省庁の天下り先、これらはすべて公益法人という名を借りての無駄遣いの温床である。その上、防衛省の取引先との癒着、社会保険庁のでたらめさ、政治家の金銭癒着、一つ一つ挙げたらキリがないくらい日本という国は腐敗している。

 情けない国家に成り果てたものです。さみしい国になりましたね。





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