所長の部屋 平成21年 1月元旦

新年明けましておめでとうございます。
   本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 
                          

のっそりと牛がやって来た
後脚をひきずっている、顔色も悪い
十牛図から出て来たのだという

禅の修業もせず 牛に出会えたかと喜んで、牛に乗ってうちに帰ろうと思っ
たら、牛はひとり黙々と角の吉野家へ入って行く

偉いものだ 衆生のために我が身を捨てるとは・・
私は自分を捨てられない 悟りは遠い この一年どうやって生き延びようか

                         谷川俊太郎(文芸春秋1月号)

今年の干支は己丑(つちのと・うし)です
 久し振りにこの年を干支から占ってみましょう。

 その前に
60年前の己丑年にはどういうことが起きていたかを
 検証してみます。


===1949
==

01./23   総選挙―――
      02/16
 吉田内閣成立―――
        
03/07 民主党分裂―――
        
03/07  ドッジ経済安定9原則実施について声明(ドッジライン)

04/25 1ドル360円の単一為替レート実施―――
      05/04
 閣議、行政整理を決定―――
             05/10
シャウプ税制使節団来日 ・ 9/15 シャウプ勧告―――

06/24 国鉄労組中央委員会、行政整理反対の実力行使方針を決定−−−
   
07/04 国鉄、人員整理(30700人)の通告を開始と発表−−−

07/ 06
下山事件(下山定則国鉄総裁轢死体で発見)−−−
   
07/15三鷹事件(無人電車暴走)−−−
        
08/17 松川事件(旅客列車転覆)−−−

09/19  
人事院、人事院規則制定−−−
      10/01中華人民共和国成立−−− etc−−−

の己 物が形を曲げて縮まり蔵(かく)れた象で、外物に対して内なる自身すなわち「おのれ」を表し、おのれは他に対して屈曲し、悪がたまりになり、乱れやすいから、これの筋を通して紀律してゆくべきことを表したもののようです。
前年の戊は茂るで、しげることであり、それは紛糾と衰退を意味するから、よろしく剪定賦活せねばならないようで、己はその後を承けて筋道をはっきり通すことです。

これに反して利己的に悪がたまりすると、敗を招くことは必定で、特に為政者はこの己の一字に蒙を啓(ひら)かねばならないのです。

の丑 今まで曲がっておったものを伸ばすというころから、「始める」「結ぶ」「掴む」という意味を持っています。前年の子(ね)は増えるという意味で、
政局で言えば、やれポスト麻生だ、やれポストXXだというようなことで、いろいろの人物が出たようですが、亥や子の年に発生してきたいろいろの問題が作用、組織・活動を始める、前二年間に内在し、発生していた問題が次第に活発な行動に移る、それをよい意味で政策を着々遂行していかなければならないという年なのです。
それがよい方に進むと、在来の権力・政治に対して好ましい革新勢力が結成され、新しく行動を始めるということになりますが、

悪い方に進むと、革命勢力・破壊勢力が結束して活発な行動を始めるということになり、まことに物騒な年になるということなのです。



さて、歴史は繰り返すとか申します。


60年前の1949年の初頭から政治も経済も世情も破壊から始まったようです。今年もまた政情不安・経済不安を抱えたまま新年を迎えました。

こんな時こそ私たちはこの一年を紀律正しく筋道を通して生きていかなければなりません。それが自分を守る唯一の手立てではないでしょうか。

今年も明るく楽しくおおらかに、元気に過ごしましょう。
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