2009年5月号   所長の部屋


 新緑薫るいい季節になりましたが皆さんお元気でしょうか。

 さてさて、巷では景気浮揚の一策として四月下旬に定額給付金が振り込まれましたが確実な効果は得られるのでしょうか。14兆という2009年補正予算案が提出され、これより審議に入りますが果たして景気問題・雇用問題・不況脱却が解決できるのでしょうか。

 赤字国債発行による財源確保という補正予算に対して私達一人一人が相当の覚悟で臨まなければならないとは情けない現実です。
 この厳しい経済状況をどのように乗り切るには
経営者の知恵と努力の結集こそが解決の早道・・がんばっていきましょう。

 さて、今、私の手元に新潮社発行の「新潮45+」という創刊号があります。1982年(昭和57年)5月1日発行第一巻、第一号のこの本から今回は掲載いたしましょう。





新潮45+・・・新潮社発行

表紙をめくると阿久悠さんのコラムから始まり、目次を拝見しますと実に懐かしい。


     男子の作法(日本居住誌)・・・・・・・司馬遼太郎

     森繁口論 わが責は終わりぬ?・・・・・森繁久彌(68歳)

     出世と幸福は同じか・・・・・・・・・・城山三郎

     いま問われている国際性・・・・・・・・盛田昭夫〈61歳〉

     この年齢になって教えられたこと・・・・松下幸之助〈88歳〉

     封切館 矛盾の生きもの・・・・・・・・池波正太郎

     将棋おちこぼれ教室・・・・・・・・・・山口 瞳

     〈創作〉断崖・・・・・・・・・・・・・松本清張

     わが人生の一冊・・・・・・・・・・・・水上勉

錚々たる先輩たちがこの本に寄せてくれた内容は本当にすばらしいもので、今、読んでも感動するものばかりです。特に創刊号となると発行元も力をいれたのでしょう。永久保存版として残しておこうと思います。では、阿久悠さんのコラムを紹介します。


いま45,これからどう+(プラス)するか。

 歌をつくり、文を綴り、絵を描き、酒を呑み、ベースボールの結果にときめき、人の出会いを図り、子の長身に目を細め、妻との奇縁をしのび、明日の天気はと窓をあけ、カサブランカとレイダースを同時に想い、そういえばセロニアス・モンクが死んだなとレコードをかけ、古い友からの電話に長くつきあい、45になったよといい、何故か双方で笑い、幼年期、青年期、壮年期、老年期の順列を幼年期、少年期、老年期、青年期、壮年期と並べかえ、そういう人間もいるものだとほくそ笑み、私小説はまだ書くなよとつぶやき、突然ITCHという言葉を想い出し、さて俺もこれから我がままといわれてみたいと考えたりする。     
                                              

              阿久悠〈45歳〉


 



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