第3回
さまざまな優遇措置
新証券税制にはさまざまな優遇措置があるが、とりわけ長期投資を基本スタンスにする投資家にとっては手厚いものと成っているのが特徴です。
 一年超保有していた場合は、「100万円までの特別控除」があり、二年超保有していた場合には、「購入金額1,000万円までの売却利益は上限なしで非課税」とするのが、その骨子である。ただし、いずれも時限的措置であり、他にも条件があるため、じっくり研究して上手に利用したいものです。

T 購入金額1,000万円までの上場株式等の譲渡益非課税の特例  ※ 期間限定の特例措置
平成13年11月30日から平成14年12月31日までの購入または払い込みにより取得した上場株式等を平成17年1月1日から平成19年12月31日までに譲渡した場合は、その譲渡した上場株式等の購入対価の額の合計が1,000万円に達するまでのものについては、譲渡益が非課税とされます。
購入金額1,000万円までの非課税の流れ
平成13年
11月30日
START 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年
購入期間 所有期間 売却期間

この特例は特定口座制度の源泉徴収ありの口座で譲渡した場合には、受けることができません。 
U 一年超保有株式の100万円特別控除
  ※ 期間限定の特例措置
一年を超えて保有する特定の上場株式等を証券会社経由で譲渡した場合の譲渡益から年間合計で100万円を限度として控除することができます。
平成14年12月31日までは、源泉分離課税と申告分離課税の2種類の課税方法がありますが、この控除は申告分離課税を選択した場合に受けることができます。

(適用期間は平成13年10月1日から平成17年12月31日までの譲渡)
V 上場株式等の譲渡損失の繰越控除制度
  ※ 恒久的な措置(H15年1月〜 
平成15年1月1日以後に上場株式等を譲渡した場合において生じた損失金額のうち、その年に控除しきれない金額については、翌年以後3年間にわたり、上場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除することができます。
特定口座において生じた譲渡損失もその対象となります。ただし、未公開株式などは対象外です。また、この制度を使うには確定申告が必要です。
平成15年に譲渡損失が発生した例
累  計 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年
年間譲渡損失 △700万円 200万円 200万円 500万円
前年からの
繰越譲渡損失 △700万円 △500万円 △300万円
繰越控除(確定申告) △500万円 △300万円 200万円
納税額 0万円 0万円 0万円 40万円
※20%税率適用


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