2004年経理・税務業務チェック

2004年度税制改正のあらまし





  経理などの業務には毎月決まった仕事も多いですが、法改正等で、毎年少しずつ代わる部分もあります。
平成16年の主な留意点を挙げてみます。


★改正消費税法の施行


 消費税法の改正に伴い、平成16年4月1日以後開始する課税期間(総額表示は4月1日)から、消費税の事務に変更点があります。ポイントは次のようなものです。

 免税点・簡易課税制度の適用上限引下げ

 消費税の納税が免除される免税点制度の適用上限が、課税売上高3000万円から1000万円に引き下げられます。また、簡易課税制度の適用上限も、課税売上高2億から5000万に引き下げられます。
 簡易課税制度を適用する場合の「消費税簡易課税制度選択届出書」等の必要な書類の提出や、会計ソフトの対応など、早めに準備をしておきましょう。

 総額表示の実施
 
 不特定多数の消費税に対して取引をする小売業者などで、消費税込みの値段を表示することとなりました。社内的にも、領収書やレシート、店内表示等の表記を決めておく必要があります。
 なお、現行の税抜き価格による消費税端数処理について、総額表示を行うことを条件に、平成19年3月31日まで継続できる経過措置が設けられました。また、税込価格を前提とした決済でも、領収書等に消費税相当額の1円未満を端数処理した後の金額を記載していれば、当分の間、その記載された端数処理後の消費税相当額をもとに消費税の計算をすることが認められています。

 1カ月ごとの中間申告
 
 直前の課税期間の確定消費税額(年税額)が4800万円超の場合は、1カ月ごとに中間申告・納付を行うこととなります。








1月の主な業務内容です。
ミスなく、もれなく、処理する為、スケジュール管理等にお役立て下さい。










★2004年度税制改正大綱

 消 費 税 

 「2007年度をめどに、消費税を含む抜本的税制改正を実現」との表現で、将来的な消費税率引き上げの可能性に言及した。
2004年度から所得税の一部を地方に配分する「所得譲与税」を創設。所得税から住民税への税源移譲は2005〜06年度に検討。その際、所得税・住民税の定率減税の縮減・廃止も含め抜本改革を検討する。


 老年者控除の廃止

 2004年度中に65歳以上のお年寄りに対する公的年金等控除の最低保障額を、140万円から120万円に引き下げ、老年者控除を廃止する。


その他の税制改正

 自宅を売っても住宅ローンが返済しきれない場合に残額の所得控除を認める新制度を創設。5年を超えて住んだ家屋(マンション)が対象で、売った年と翌年以降3年間まで、残額を所得控除できる。


 住宅ローンの減税
 
 2004年度入居分は現行制度(期間10年、最大減税額500万円)を維持し、05年度入居から段階的に縮小し、08年入居は最大減税額を160万円に圧縮する最終案を決定。減税期間の10年間は維持する。
 住宅の売却損を4年間繰り越して課税所得から差し引ける「譲渡損失繰越控除制度」は06年末まで3年間延長する。


 住民税の均等割
 
 Q.住民税の均等割とは?
 A.所得に関係なく定額を納める税で、要するに人頭税。個人住民税は均等割と、
   所得に応じて税額が増える所得割とで構成されている。
 
 住民税の均等割を一律年4000円に統一し、夫と生計を共にする妻への非課税措置は廃止し、05年度には2000円を課税、06年度から4000円課税する。


 厚生年金保険料率 

 上限18.35%で合意
厚生年金の保険料率を来年10月から毎年0.354%ずつ引き上げ、2017年度以降は18.35%で固定する方針。
これに伴い、年収約570万円の平均的なサラリーマンの場合、保険料負担は毎年約1万円づつ増える。










  その他に・・・

 個人に対する増税ばかりがクローズアップするなか、経済の活性化を狙った中小企業向けの税制改正案は、減税・簡素化を図るものばかりで見逃すことができないものが多い。
 事業用資産の償却割合の変更などは、地味なようだが会社の資金運用にダイレクトに影響する。

@青色申告特別控除の控除額の改正
 簡易な簿記の方法による記帳に対する控除額を廃止したうえで、特別控除額を65万円に引き上げる方向。

A「欠損金の繰越控除制度」
 青色申告の承認を受けている事業者が赤字になった場合、向こう5年間の黒字との相殺を認めたのが同繰越控除制度だが、その繰り越される期間が7年に延長
(ただし、これに伴い帳簿書類保存期間も5年から7年へ延長。法人税の更正期間も5年から7年。脱税以外の過少申告に関する更正期間も3年から5年へなど変更有り)

B中小企業投資促進税制
 器具備品の取得価額要件が、100万円から120万円 (リース費用の総額要件は140万円から160万円)に引き上げたうえで、適用期限が2年延長される。

 など、小粒な改正だが、中小企業にとっては軽視できない改正項目が散りばめられている。
  



















★2004年の風水

 キーワードは「変化」「優しさ」「思いやり」
 ラッキーな方向は「東と西」
 ラッキーカラーはミルク・赤・黄色 (Dr.コパ) 

 今年は新しい運気をスタートさせる年
 このスタートの年をどう過ごすかで、この先9年間の
 自分に大きく影響が (李家幽竹)


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