200908月号           所長の部屋  

炎暑の砌、如何お過ごしでしょう。

7月12日、都議選の結果は自民党の惨敗で終わりました。21日、衆議院は解散し、政局はいよいよ危うい状況となっており、今年、年頭に予測したとおりの物騒な世の中に変貌しつつあります。2009年1月号『私の部屋』をもう一度ご参照いただけるでしょうか。

さて、国民の皆さんはどのような政権を望んでいるのでしょう。麻生政権の末期と言うより自民党の末期・・・さぁ、勇断なる引き際をどのような展開で迎えるのでしょうか。

今回は「引き際」についてお話をいたしましょう。




引き際の基準

 『Sports Graphic NumberベストセレクションT』に収録されている「普通の一日」に、元マラソン選手の瀬古利彦が引き際を語った次のシーンがある。インタビューは沢木耕太郎だ。瀬古はエスビーの監督に就任したばかり。瀬古自身がスカウトした選手が8人しかおらず、うち1人は身体の不調で退部が決まっていた。駅伝には7人の選手が必要になるので、新人であっても駅伝に出られるくらいのレベルになってもらわなければ困る。

 『そうしないと、ぼくがカムバックするなんていうことになりかねない』

 瀬古は笑いながら言う。

 『走ろうと思えば、今でも走れるの?』

 『走ろうと思えばね』

 『どのくらいで?』

 『マラソンで言えば、2時間12・3分は出せるでしょうね』

 『今でも?』

 『今でも』

 『それなら、もうしばらく走ればよかったのに。楽しみながら走るという走り方がないわけじゃな いのだから』

  私が言うと、瀬古は少し厳しい顔つきになって言った。

『それはぼくたちの考え方と違うんです。これまでずっとレースは命のやりとりと同じくらい真剣なものだと思ってやってきました。負けてもいいから出るという気にはなれなかったし、これからだってなれないにちがいありません2時間12・3分では走れる。でも、2時間6分の争いにはもう絶対に加われない。そうしたら、少なくともぼくは引退せざるをえないんです』


この言葉には、トップを目指して燃焼した者だけが持つ覚悟がある。瀬古のエピソードに見るような、自分の仕事を一層輝かせる“引き際の基準”を用意しておきたいものだ。





今般、『所長の部屋』も86回をもって引き際にしたいと思います。思えば継続に自信のない私が7年もの間、一ヶ月も休まず『所長の部屋』を更新し、又、読者の皆さんもこの稚拙な文章をよくもこれまで一読していただいたものだと・・・一種の驚きと皆さんの優しさに後押しされここまで続いたものなのだと感慨深く・・・本当に有り難うございました。

今後のホームページは事務所の若いHP担当者に委ね、新しい企画やユニークな試みであらゆる方面から又、税の専門知識を豊富に皆様方にご紹介し、毎月の更新も今まで以上に楽しさ満載でお送りできるものと確信しております。どうぞ今後とも倍旧にまして田中会計事務所のHPを楽しんで頂けたら幸いに存じます。





これより私は人生の集大成・終末期を迎え、これまで大変お世話になった多くのお客様を第一義に、引き継がせるもの、取り払うものの身辺整理に入り、引き際の階段を上り詰めようと思います。長い間おつきあいをいただき心より感謝申し上げます。 

皆様方のますますのご健勝とご多幸をお祈りしながらお別れといたします。ありがとうございました。 



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